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メンタルヘルスの問題が一番難しい

メンタルの問題を抱える社員は非常に多くなりました。もはや企業が社員のメンタルヘルスに最大限の配慮をすることは必須事項になりましたね。

そして、企業が社員のメンタルヘルスを支援するために提供すべきサービスやリソースには幾つかの重要な側面があります。これらのサポートが不足していると、社員がストレスやメンタルヘルスの問題に適切に対処することが難しくなります。以下に、不足しているサポートの具体例と、それを補うために企業が実践すべき日々のアクションを挙げます。

不足しているサポートの例

  1. 専門的なカウンセリングサービスへのアクセス:社員がプライベートで抱える問題や職場でのストレスについて、専門家に相談できる機会の提供が不足しています。
  2. メンタルヘルス教育:メンタルヘルスに関する正しい知識や自己ケアの方法、同僚へのサポートの仕方について学ぶ機会が不足しています。
  3. フレキシブルな働き方の選択肢:柔軟な勤務時間やリモートワークなど、個々のライフスタイルやメンタルヘルスの状態に合わせた働き方の選択肢が限られています。
  4. 社内サポートネットワーク:同僚や上司との信頼関係を築き、メンタルヘルスの問題に対して相談しやすい環境の構築が不足しています。

実践すべき日々のアクション

  1. カウンセリングサービスの提供:社員が匿名で専門家に相談できるカウンセリングサービスを導入します。オンラインカウンセリングのオプションを提供することで、アクセスしやすくします。
  2. 定期的なメンタルヘルスの研修とワークショップの開催:メンタルヘルスの基礎知識、ストレス管理法、同僚のサポート方法に関する研修を定期的に行います。これにより、メンタルヘルスに対する理解を深め、健康な職場環境を促進します。
  3. フレキシブルワークポリシーの推進:個々のニーズに応じた働き方を選択できるように、フレキシブルな勤務時間やリモートワークのオプションを積極的に提供します。ワークライフバランスの改善を図ります。
  4. ピアサポートプログラムの導入:社内でピアサポートグループを組織し、社員が互いに支援し合える環境を作ります。信頼できる同僚に相談しやすい体制を整えることで、メンタルヘルス問題への早期対応を促します。
  5. オープンなコミュニケーションの促進:メンタルヘルスに関する話題をオープンにすることで、社内のタブーをなくします。定期的なミーティングやチェックインで、社員が自身の感じているプレッシャーやストレスについて話しやすい環境を提供します。

しかし、根本的な解決になっていない

ただ、問題は解決していません。実践すべき日々のアクション1~5をやっても、課題は解決していないのです。なぜでしょうか? 以下に、これらのアクションが期待される成果をもたらさなかった可能な理由を挙げ、それぞれについて解説します。

1. 実装の方法に問題がある

  • 不十分なコミュニケーション:プログラムやサポートの利用方法、目的について十分に説明されていない場合、社員は利用のメリットを理解できず、積極的に参加しない可能性があります。
  • アクセスの困難さ:サポートへのアクセスが複雑であったり、時間的・地理的な制約があったりすると、社員が利用を躊躇する原因となります。

2. 社員のニーズとのミスマッチ

  • 個々のニーズの見落とし:社員一人ひとりの具体的なニーズや問題点を把握せずに一律のサポートを提供した場合、効果が限定的になることがあります。
  • 文化的・個人的な障壁:メンタルヘルスに関する文化的なタブーや個人的なプライバシーへの懸念が、サポートプログラムの利用を妨げることがあります。

3. サポートの質の問題

  • 専門性の不足:提供されるカウンセリングやトレーニングの質が低い、または専門性が不足している場合、期待される効果を得ることができません。
  • 継続性の欠如:一時的または断片的なアプローチでは、持続可能な改善を達成することが困難です。継続的なサポートとフォローアップが不足している場合、初期の改善が長続きしないことがあります。

4. 社内文化との不一致

  • 職場文化の問題:開かれたコミュニケーションやメンタルヘルスへの理解が職場文化に根付いていない場合、社員はサポートプログラムを利用しても問題を共有しにくいかもしれません。
  • 上層部のサポート不足:経営層や上層部からの十分なサポートや関与がない場合、メンタルヘルスイニシアティブは効果的に実施されにくくなります。

5. 効果測定の欠如

  • フィードバックと調整の欠如:プログラムの効果を定期的に評価し、必要に応じて調整するメカニズムがない場合、時間とともに効果が低下する可能性があります。

これらの問題を解決するためには、社員からのフィードバックを積極的に収集し、プログラムを柔軟に調整する必要があります。また、社内でのオープンな対話を促進し、メンタルヘルスに対する意識を高めるための継続的な取り組みが重要です。

ではどうすればいいか? ~次の一手は「言語化スキル」かもしれない

一般的に考えられている施策を実施しても、現実的に課題が解決していません。これからは、これまでとは違う「次の一手」が必要です。それは、「言語化スキル」かもしれません。言語化スキルがメンタルヘルス向上につながる理由を挙げます。

  1. 自己認識の向上
    • 言語化スキルを通じて、個人が自分自身の感情や思考を明確に理解することができます。自分の内面を言葉で表現することで、感情やストレスの原因を正確に把握しやすくなり、適切な対処法を見つける手助けになります。
  2. 感情の処理と表現の改善
    • 感情を適切に言語化する能力は、感情の処理を助け、ネガティブな感情が持続する期間を短縮します。また、他者とのコミュニケーションにおいても、自分の感じていることを明確に伝えることができるようになり、理解や支援を受けやすくなります。
  3. 問題解決スキルの強化
    • 問題やストレスの原因を明確に言語化できることで、問題解決に向けた具体的なステップを計画しやすくなります。自分の思考や感情を整理し、解決策を見つける過程で、より効果的なアプローチが可能になります。
  4. 社内コミュニケーションの促進
    • 社員が言語化スキルを持つことで、チーム内や部門間のコミュニケーションが向上します。メンタルヘルスに関する問題を含め、仕事の課題や個人の懸念をオープンに話し合う文化が育ちます。
  5. レジリエンス(回復力)の構築
    • 言語化するプロセスは、感情やストレスに対する理解を深めるだけでなく、それらに対処するための内面的な強さや回復力を養います。自分の感情や考えをコントロールする能力が高まると、将来的なストレスや挑戦に対しても柔軟に対応できるようになります。

このロジックに基づき、企業は言語化スキルのトレーニングをメンタルヘルスサポートの一環として導入することが有効です。例えば、ワークショップやトレーニングセッションを通じて、社員が自分の感情や思考を適切に表現する方法を学ぶことが推奨されます。これにより、社員は自己理解を深め、メンタルヘルスの問題により効果的に対処できるようになると期待されます。

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この記事を書いた人

著者

言語化参謀、ビジネス書作家、出版社経営者木暮太一

慶應義塾大学 経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。
1万部売れればヒットといわれる業界で、平均7万部(直近2年)の実績を誇る「連続ベストセラー作家」。
出版社を10年経営しながら得た出版ノウハウは「業界No1」と圧倒的な評価を得ており、プロデュースした著者の書籍は2000冊を超えている。

慶應義塾大学 経済学部を卒業後、富士フイルム、サイバーエージェント、リクルートを経て独立。
1万部売れればヒットといわれる業界で、平均7万部(直近2年)の実績を誇る「連続ベストセラー作家」。
出版社を10年経営しながら得た出版ノウハウは「業界No1」と圧倒的な評価を得ており、プロデュースした著者の書籍は2000冊を超えている。