ChatGPTをはじめとして、人間の仕事を奪っていくAIがこれからどんどん進化していきます。しかし、漠然とした不安を覚えるだけで、自分自身で何を不安に感じているのか、どうすればその不安がかいしょうするのかよくわかりません。
「AIアプリを使って、この先どうなっちゃうのか不安に感じたことない?」と問われれば、「そう聞かれたら、確かに不安なところがあるかも」という感覚になります。
人間がいらなくなりそうだし、ぼくらの仕事がどんどん奪われる可能性もあるし、映画の世界みたいにAI同士が会話をして人間が追いやられることも会ったりするのかな……と考えたりします。でも、今市具体的になっていません。そこで不安・期待の言葉自体を、言語化させていきます。
つまり「この状態でどんどん時間が過ぎたら、どんなことが起きそうか」、自分が考えていることを言葉にすれば、自分の感覚が言語化できます。
そもそも、不安や期待とは、個人が抱いている妄想です。不安とは、「もしかしたらこのままだと、こうなっちゃうかもしれない」という妄想です。
自分の老後に不安がある、という人は多いですが、実際にその「不安」が何なのかを本人は説明できません。自分でもよくわかっていない漠然とした感覚を「不安」と言っています。
なので、不安という言葉を言い換えて、「このままだと、こんなひどいことが起きちゃうとかもと思っている」としましょう。
自分の将来が「不安」な人は、このままだと自分はどうなっちゃうと思っているのでしょう? お金が無くなって住む家がなくなっちゃうかも? 足腰が弱くなって外に出られなくなるかも? 医療費がたくさんかかるかも? 友達がいなくなっちゃうかも?
本人によって自分が抱いている妄想は違いますし、嫌だと思う状況も違います。外出できなくなるのは本当に嫌だけど、これまでの友達付き合いがなくなったとしてもそれは特に気にしない、という人もいます。「お金が無くなっちゃうかもしれないけど、生活保護を受ければいいから別に問題ない。それより生まれ育った家を手放さなきゃいけなくのは本当につらい。」と感じている人もいます。
これが不安です。
何か世の中で起きた時、もし自分の中で「このままだとこうなっちゃうかも」という不安があれば、それとつなげて語ってみましょう。そうするとたとえば、「AIアプリがこのまま進化したら、人間の社員はいらなくなりそうだね。もしかしたら、自分も仕事がなくなっちゃうかも!と少し危機感を覚えました」と自分の感覚を言語化できます。
社員が抱いている不安を引き出す時も同じです。「何か不安ことはある?」と問いかけても、本人がうまく言葉にできません。なので、「このままだと、何がどうなっちゃうと感じてる?」と問いかけてみましょう。そうすることで、相手の頭の中が言葉になり、共通の認識ができるようになります。