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本の出版って、どうやってやるの?
本を出版したい!と思ったら、このページを読んでください。
何から手を付ければいいか、どんな行動をすればいいかがわかります。
出版企画書の体裁
自分が書きたい内容が決まったら、それを企画書にします。出版の企画書は、ある程度体裁が決まっています。
100%これじゃなきゃNGということではありませんが、違うフォーマットに違和感を覚える人もいます。
郷に入っては郷に従え、なので、通常の体裁で出しましょう。
・まず「ワード」で書きます。パワーポイントではなく、ワードです。
・A4の縦で横書きです。いわゆる、ビジネス文書と一緒ですね。
・フォント(字体、文字の大きさ)は変更しないでくださいね。ワードの基本設定のままで書いてください。
たまに、余白を減らし、行数を上限まで増やしたギチギチの企画書を見ますが、これでは読みづらい。読んでもらません。だから基本設定を守ってください^^
・枚数は、1枚か2枚です。枚数が増えれば増えるほど、読んでもらえる可能性が減ります。
出版企画書に盛り込む内容
次に、出版企画書に盛り込む要素です。本を出版するためには、出版企画書を避けて通れません。
どんなことを書けばいいかってことです。これはいろんな意見がありますが、いろんな編集者にヒアリングした結果、以下を入れればOKだと思います。
●仮タイトル
文字通り、仮のタイトルですね。
●企画概要(5行~10行程度)
自分が書こうしている本の概要を説明します。
●プロフィール
自分の肩書、実績や経歴を書きます。
●目次(案)
どんなことを本に書こうとしているのか、その順番を含めて目次案を書きます。
この他に、
・自分がどれだけプロモーションできるか?
・市場規模はどれくらいか?
・類書(同類の本)には、どのようなものがあるか?
などを書いた方がいいと言われることもありますが、
これはメリット・デメリット両方あります。むしろデメリットの方が大きいです。なので、書かなくていいです。
出版企画書の目的
出版企画書の目的は、編集者に「この人に会ってみたいな」と思わせることです。
よっぽどでなければ、企画書の通りに本づくりが始まることはありません。
編集者は「なんかおもしろそうな人だから、一度会ってみよう」と感じ、その会った場で、具体的な書籍の企画アイディアを出し合いたいと考えています。
会ってからある意味ゼロベースで企画を考えようとしているのです。
だから、事前に原稿を書いても無意味ですし、むしろ「既に原稿がある」という場合は、嫌がられます。ほんとです。
編集者は「編む人」です。完成している原稿を持って来られても自分の出る幕がありませんし、自分のアイディアが入れられません。
なので、原稿を先に書いてしまうのは完全に意味がないことなのです。(むしろ編集者に嫌がられてマイナスになります)
企画書の目的は、「この人に会ってみたいな」と思ってもらうこと。それ以上でもそれ以下でもありません。
企画概要には何をかくの?
「企画概要」と言われても、何を書けばいいのかわからないという方がほとんどだと思います。
まず、企画概要は5行から10行くらいです。
そしてここには、自分が本で伝えたいメッセージの要約を書きます。
ただし、ここで気を付けなければいけないのは「自分の想いばっかり」になっちゃうことです。
本はあくまでも読者のためのものです。
ですから、著者が何を書きたい、なぜ書きたいかではなく、「なぜこれが世の中に必要で、この本を読んだ人は、このように変われる」ということが入っていなければいけません。
それを5行から10行にまとめましょう。
プロフィールの書き方
ここはQ&A方式で解説しますね。
Q.プロフィールには何をかくの?
A.プロフィール欄は、著者が「私はこんな人間です」を書く場所です。
ですが、とはいっても、著者の生い立ちを履歴書的に書く場所ではありません。出版企画書は、「私はこんな本が書きたい!」と編集者にアピールする提案書ですよね。プロフィールは、そこに載せる自己紹介ですから、「ほら、私こんな実績あります。こんなこと考えてきました。こんな思いがあります。だから私に書かせてください!」ということをアピールすることが目的なんです。
Q.何行くらいで書くの?
A.決まりはありません。仮タイトル、企画概要、プロフィールでA4サイズ1枚に収まればOKです。
Q.自分でアピールできることを書けばいいの?
A.アピールできる実績や資格を書く、という方向性でOKです。ですが、本のテーマに関係ない生い立ちや趣味は書いちゃいけません。資格も同様に、「関係ないものは書かない」が正解です。私だったらその本を書けるんです!という「証拠」として書くつもりで仕上げましょう。
Q.自分の写真は載せるの?
A.写真を載せる目的によります。自分の写真を載せることで、説得力が増す場合は載せます。関係ない場合は載せません。ちなみに僕は、一度も載せたことがありません。ぼくの見た目と書く内容が(ぼくの場合は)関係ないからです。
一方で、美容やダイエット本の場合は、「実績、証拠」として自分の写真を載せてもOKです。
目次(構成案)の作り方
企画書に目次を入れることがあります。というか、入れた方がコンテンツの内容が伝わりやすいので、入れましょう。
出はどうやってその目次をつくるかを説明しますね。
まず知っておきたいのは、本にする場合は、だいたい5章か6章くらいまで、ということ。長すぎてはいけませんし、3章で終わっても、なんとなくいけません。(絶対NGというわけじゃないんですが、5章か6章でまとめるのが一般的です)
大まかな手順としては、
1.とにかく、自分がそのテーマに関して知っていることを箇条書きにリストアップする
2.それを、順番に並べなおす
です。
「それだけ?」と思うかもしれませんが、それだけです。
実際の本になる時には、冒頭に「つかみ」を入れたり、最初に課題(読者が知らないこと)を投げかけて、次の章以降にその答えを書くというやり方もあります。でも、それは企画書の段階で考えなければいけないことではありません。まずは、自分が持っているすべての情報、知識、ノウハウを土俵に上げ、その後に順番を考えたり、「しかけ」を作ったりするのです。
企画書の段階でそれを考えようとすると先に進めなくなりますし、もっと悪いことにもなります。
その悪いこととは、「意味が分からなくなる」ということ。
企画書に書く目次は、編集者が見て「このノウハウおもしろそう!」「このやり方、いいね!」と思うものでなければいけません。つまり、その著者が持っているネタがどんなものなのか、が編集者に伝わらなければいけないのです。
そして、企画書の目的は「この著者に会ってみたい!」と思ってもらうこと。編集者が『なんか面白そうですね』と思ってくれれば良く、構成や流れを完ぺきにしておく必要はないんです。
とにかく、自分が書ける内容をリストアップして、それを順序立てて並べましょう。
そもそも、私はどんなテーマで出版すればいい?
「私はどんなテーマで本を書いたらいいのかな?」
「わたしは、まだ本にできるコンテンツなんて持ってないかも」
「いつか本を出版してみたいなぁ。でも、今は何も書けないからなぁ」
そう感じている方はとても多いです。ただ、ぼくから見ると、そのうちの半分以上の方が「すでに持っている」んです。
ポイントは、「自分の中にある価値あるコンテンツを、自分で見つけられているか」なんですよね。
これを見つけるための考え方がいくつかあります。たとえば、こんなテーマは持っていませんか?
1.自分が克服した苦手分野
2.自分が人と違うやり方をしていること
3.自分が最新の情報を知っている分野
4.自分が一番お金を使ってきたこと
5.これを教えてあげたい!と思うこと
1.自分が克服した苦手分野
自分がかつて苦手分野だったものを克服できたら、その克服方法がノウハウになります。それを知りたいと思う人はたくさんいるでしょう。自分がかつて抱えていたコンプレックスに目を向けると、意外なノウハウが見つかります。
2.自分が人と違うやり方をしていること
他の人と違うことをやっていたら、それはノウハウになりますね。「皆さんはそのやり方をしていますが、私はもっといい方法を知ってますよ」という本が書けるわけです。
3.自分が最新の情報を知っている分野
業界の最新情報を書ければ、それはそのまま本になります。よく書店にも「最新版●●」という本がありますが、そのようなイメージです。
4.自分が一番お金を使ってきたこと
自分が消費者としてお金を使ってきたこと、消費者としてこだわりを持ってきたことは、じつはプロよりもいい内容が欠けたりします。消費者目線で、既存サービスの不満や不便な点に目を向けると、自分ならではのオリジナルコンテンツが見つかります。
5.これを教えてあげたい!と思うこと
あなたが知っていることで、相手にぜひ教えてあげたい!と思う内容をそのまま書きます。たとえば、ディズニーランドで3倍楽しめる方法、海外旅行のコツなどです。自分は別にプロでもなければ、そのテーマの資格を持っているわけでもない。でも「これを教えてあげたい!」と思う内容があれば、本になります。
出版企画書が書けたら、編集者に見てもらう
出版企画書が書けたら、出版社にアプローチします。要するに、編集者に企画書を見てもらうということですね。
ここで注意点があります。それは、企画書を見てもらう相手を間違えてはいけない、ということです。ここで多くの方がやってしまうのは、「とりあえず、誰でもいいから編集者に見てもらおう」とすることです。
勤めている出版社によってジャンルが異なるので、一口に編集者と言っても、扱っているテーマは様々です。育児関係の本を作っている人もいれば、ビジネス書専門の人もいます。男性向けの本しか作らない人もいれば、女性読者に絞って本づくりをしている人もいます。
自分の本のテーマと、マッチしている人に見てもらうようにしましょう。
どうやって、差別化するか?
編集者に企画を見せると必ずと言っていいほど聞かれるのが
「この企画の差別化ポイントは何ですか?」
という質問です。そして、この質問に答えられなければ、あなたの企画は通りません。なかなかこれが難しいですよね。みんな「自分が他の人とどのように違うか」、つまり「自分のコンテンツの差別化ポイント」を言葉にして把握していません。
だから、いきなり聞かれると困っちゃうんです。
そうならないために、あらかじめ言語化しておきましょう。
では伺います。あなたがライバルと違うところはどこですか? どこが目新しいポイントですか?
……といっても、なかなか出てきませんよね(笑) なので、差別化ポイントを自分で理解する方法をお伝えします。
まず、類書をたくさん読みこむことが前提ですが、それができたら次にやるのは「差を言葉にすること」ですね。どうすればいいかというと、ズバリ「5W」で自分のコンテンツを見るということです。5Wとは、5W1Hの5Wです。つまり、
・Who(誰が読む本なのか?)
・Where(その人はどこで、どういうシーンであなたの本を必要としているのか?)
・When(その人は、どんな時にあなたの本を必要とするか?)
・Whom(その人は、誰との関係を改善したいと思っているか?)
・Why(その人は、なぜあなたの本を必要とするのか?)
です。
これらをひとつずつ考えていくと、簡単に差別化ポイントは見つかります。
差別化をうまく説明できなければ、出版することは、かなり難しくなります。ぜひこのやり方を試してみてくださいね。
※ぼくのセミナー(「編集者が飛びつく! ベストセラー企画書のヒミツ~5つの発想法と3つの質問~」でも、この手法を詳しく説明します。
出版を目指す方は、ぜひ一度お越しください。
重要! 編集者に見てもらう時のマナー
編集者に自分の出版企画書を見てもらう時、絶対にやってはいけないことがあります。
最低限のマナーのようなものですね。それは、「読んだら感想をください」と依頼することです。
出版企画書を編集者に見てもらうということは、自分のコンテンツを本にしませんか? と営業しているのと一緒です。
つまり、営業がクライアントに商品を売り込むのと一緒なわけです。
営業がクライアントに「この前提案した商品の中身について、感想をください」と言えるでしょうか?
すでにお互いの信頼関係ができていればお願いできるでしょう。
でもそうでない場合はそんなこと聞けませんよね。っていうか、そんなことデカイ顔して聞いたら出入り禁止にされてもおかしくないレベルです。
でも、出版業界ではやってしまう人がいるんです。
「企画書をお渡ししますので、感想をください」
「よくないところがあったら添削して送ってください」
「採用されない場合は、その理由を教えてください」などなど。
お客さんに「商品を買わないのなら、買わない理由を教えてください」というのはおかしいですよね。
それと一緒で、編集者に「要求」するのは、マナー違反です。
著者はあくまでも出版社に営業する立場であることを忘れずに、失礼のないようにしましょう。
超重要! こんな失敗しないように
本を出したい人がやってしまいがちな失敗事例を紹介しますね。
・片っ端から「編集者」に売り込む
先ほども書きましたが、「編集者であれば誰でもいい」というわけではありません。
あなたの企画にマッチした編集者でなければ、どんなにいい企画でも全く響きませんし、採用されません。
出版パーティや飲み会で「編集者」を見つけては熱く売り込んでいる人を見かけますが、あまりいい結果に結びつきません。しっかりと相手の「好み」を知ったうえでアピールしましょう。
・片っ端から「編集者」のアドバイスを聞いてしまう
企画が通らない多くの人が、片っ端から「編集者」にアドバイスを求めます。
そして、話を聴いてくれた特定の編集者の考えを盲目的に聴いてしまいます。
一生懸命なのはいいのですが、必死にその人が気に入る企画に仕上げようとし、その人から「こういう本にした方がいい」と言われたら、盲目的にその助言に従ってます。
率直にいうと、だから企画が通らないんです。
恋愛に例えて考えると、目の前にいる人の好みや恋愛条件に一生懸命自分を合わせようとしている、ってことです。「アウトドアな人がいいですね」と言われたら、一生懸命アウトドアになろうとする。その人の意見だけを取り入れてしまう。
大事なのは目の前にいる人をしくこく口説くことではなく、自分を好きになってくれる人を探すことです。
自分がいくら好きでも、相手がぜんぜん自分のことタイプじゃなかったら無理です。要は、「マッチング」なんですよね。
出版の企画も一緒です。目の前にいる特定の編集者に合わせるのではなく、自分の企画を気に入ってくれる人を探すべきなんです。
特に出版企画の場合は、その編集者が「いい!」と思うだけではNGで、会社がOKを出さなきゃいけない。
だから、その出版社が得意としているジャンルでなければ、いくらいい企画でも通りません。
大事なのは、自分とマッチする人を探すこと。
目の前にいる知り合いの編集者の「アドバイス」を聞き続けても、なかなか形にならない人が多いのは、こういうことなんです。
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