「自分は長い文章なんて書けない!」 「長い文章が書けないから、本が書けない!」って思っていませんか?
たしかに、長い文章を書くのは苦行です。慣れたらなんとかなりますが、慣れるまでは、とにかく大変です。
ぼくは学生時代に書いた最初の本(『TK論』)を書き上げるのに2年かかりました。でも、今では1冊書くのに1週間しかかかりません(他の仕事がなければ、ですが)。
もともと、ぼくは国語の偏差値が38(@高校3年生)しかなかったし、小学校の読書感想文は原稿用紙1枚書くのに3日間くらいかかっていました。今でも、読む本は仕事関係のものだけだし、小説はまわりがびっくりするほど読みません。
そんな、文章が書けなかったぼくが書けるようになったのは、いくつかポイントと、やり方があります。今日はそれを紹介します。
ポイント1 「Word」の見出し機能を使う
パソコンのWordを使って原稿を書いていると思います。このWordの見出し機能が結構便利ですよ。
まず、書きたい項目を目次のように箇条書きにします。そして、それぞれの項目に「見出し」の設定をします。
この「見出し」は、左側に表示することができる。そして、左側の「見出し」をクリックすると、該当箇所にジャンプするので、とても便利です。
左側に表示されている「書くべき項目」があります。それを見ながら、思いついたところから書き始める。前後のつながりは無視し、とにかく思いついたことだけを、どんどんメモ用紙に書き込むように書いていく。
左側の項目を眺めて、「あ、思いついた!」と思ったら、その思いついた内容だけを書くんです。場合によっては、ブレスト的に思いついた内容を1行だけ書いたりもします。「こんなことを書く?」「ここにグラフを入れる?」など、本当にメモ書きレベルのようなこともどんどん書き込んでいきます。
これで執筆スピードは格段に速くなります。
本の原稿に限らず、長い文章を書こうとする場合、「最初から書かなきゃ」とがんばってしまうと、なかなか書けません。本は書き出しの1行目が一番難しいといわれていますし、ぼくもその実感があります。「最初」は一番ムズイんです。
項目を並べ、思いついた順に埋めていく。これが大事です。
ポイント2 最初は「質」より「量」を目指す
「まじ!?」って思う人も多いかもしれませんが、これはホントなんですよ。
この「質」より「量」を目指した方がいい、というのは案外知られていない考え方ですね。ほとんどの方が「このまま本番用として使える文章、すごく質が高い内容を書かないといけない」って思っています。
もちろん、まったく本番で使わない内容を書いても意味がないんですが、「そのまま使える原稿」を意識しすぎると、何も書けなくなってしまうんです。速く書くためには、とにかく書いてみることが大事。そしてそのためには「まずは質より量!」と思って書くのがいい。
量より質を目指す考え方は、もう一つ大きなメリットがあります。それは、「モチベーションが保てる」ということ。
原稿を書くとき、目標の字数があります。でも、最初はとても遠くに見えて、「いつになったら終わるんだよ感」がすごいんですよ。これが執筆をより苦行にしてしまう。だからこの目標字数にはできるだけ早く近づいておきたい。
不思議なもので、質がダメダメでも、とにかく字数が稼げていると、焦る気持ちが減ってきます。「あとは磨くだけだ」と思うから、気持ちが軽くなるんかもしれません。
ぼくは1冊の本(8万字程度)を書くとき、まずは必要な文字数を書き上げちゃいます。内容はともかく、8万字うめちゃうわけです。そして埋めたあとに磨いていく。8万字うめてから磨きにかかるのと、5000字しかかけていないときに吟味にするのとでは、気持ちが全然違う。これはぜひみなさんに取り入れてもらいたい考え方です。
ポイント3 まずはしゃべって録音、それを文字お越しする
書くより話す方が得意という人は、まず「しゃべって録音」をオススメします。書く代わりに、しゃべるんです。
自分が本にしたい内容でセミナーをやり、3時間程度しゃべってください。それを文字お越しすれば4万字くらいの原稿になります。それをベースにするんです。まとまった内容を文章にするとしたら、これが一番速い原稿の書き方です。
ちなみに、音声をテキスト化する「文字お越し」をプロに依頼すると、1分間200円が相場です。1時間12,000円。ちょっと高い。でも、クラウドソーシング(クラウドワークス社、ランサーズ社、リアルワールド社など)で、お仕事をしてくれる人を探せば1時間2000円くらいでやってくる人がたくさんいます。
かなり手軽に依頼できます。
「情報管理が不安」?
「知らない人だと心配」?
いえ、大丈夫です^^ ぼくも自分のセミナーをテープ起こししてもらってますが、何にも問題おこりません。もともと、本にしたら世の中に出回る内容なので、細かいことは気にせず、とりあえずやっちゃいましょう^^ (本当の機密情報を話すときはやめてくださいね^^)
ポイント4 後ろは振り返らない
これはポイントというより、心持ちかもしれません。
ぼくが原稿を書くとき、過去に何を書いたか、もしかしたら同じことを書いているか、表現は適切か、などは一通り書き上げるまでチェックしません。誤字脱字すらもチェックしません。書いていて変換ミスがあることに気づいても、それを修正せずに先に進みます。とにかく「前」しか見ない。後ろは振り返らずに書いていきます。
これがすごく大事なんですよね。最終的に世に出すときには、しっかりとチェックし、修正します。でもそれは最後にまとめて行えばいいものであって、途中途中でやらなきゃいけないことじゃない。
都度、言い回しや変換ミスを修正していたら、ぼくの書くスピードは倍以上、もしかしたら3倍くらいの時間がかかってしまうと思う。
この「後ろを振り返らない」という考え方が、本当は一番役に立つかもしれない。そのくらいのものです。
文章力を身につけるというと、一文一文の表現力を上げることのように感じるかもしれませんが、そうではないです。ぜひみなさんもこの4つのポイントを意識してみてください~
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