「10年後になくなる職業」という類の記事が定期的に出されます。ロボット技術やAI(人工知能)が発展し、人間の仕事がどんどん機会に奪われていくということですね。この手の記事を見て「自分の仕事はなくならないだろうか?」と不安になる人や「機械に置き換われない仕事を選びたい」と危機感を覚える人も多いでしょう。
肉体労働ほど機械に置き換われやすく、現に過去にイギリスで起きた産業革命では多くの肉体労働者が職を失っちゃった。
そして、今はテクノロジーの進化によって、頭脳労働も機械に置き換えが可能になりつつある。将棋のプロが将棋ソフトを参考にしたと疑われている時代です。もはやすべての行動がコンピューターに取って代わられてもおかしくはないでしょう。
でもね、本当に怖いのは、「労働が機械に置き換わること」ではないとぼくは思っています。もっと怖いのは、自分の仕事が奪われるより、お客さんがAIになることじゃない?
消費者や相手の担当者がAIになって、完全に正しく、合理的な判断しかしないとしたら、かなりの商品が売れなくなって、かなりの業者がつぶれると思う。
もともと、経済学では「消費者は、すべての情報を知り尽くしたうえで、買い物をしている」と定義しているんです。
「どこで、どの商品がいくらで売っているか」はもちろん、
「商品Aと、商品Bがそれぞれ何点で、いまの自分にはどっちが適切か」を知っているんです。
そんな人間、いません(笑)
でも、もし消費者がAIになって、そのAIに判断を任せたら、そんな状態になるってことなんですよね。
詐欺的な業者がいなくなるし(それは大歓迎だけど)、広告や店頭のPOPも意味がなくなるね。「ご一緒にポテトもいかがでしょうか?」とレジで言われても、AIが「イラナイ」と即決するだろうな(笑)
企業同士の取引でも、もはや寝技や「今回だけお願いしますよぉ~」みたいなやり取りはなくなっちゃう。人間性をウリにしてきた営業マンは大変なことになるだろう。
今でも、食べログや評判サイトを使う人は多い。それは「外したくない。誰かの知恵を借りたい」という気持ちの現れだと思う。最初はそれも便利だろうけど、自分が消費者としてAIに判断させるということは、労働者(提供者)の自分もやがてAIにバッサリ判断されるということ。
怖いなぁ~ 怖いなぁ~
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