こんにちは、木暮太一です。
昨日は、ライフネット生命の出口会長と「お金の話対談」でした。出口さんのご著書 『働く君に伝えたい「お金」の教養: 人生を変える5つの特別講義』 に関していろいろお話を伺う……つもりでしたが、その枠に収まらないとてもおもしろい対談になりました。(この対談は、後日 東洋経済オンラインで記事になるそうなので、お楽しみに☆)
対談前に、控室で出口さんと30分程度お話をさせていただきました。出口さんは歴史にかなりお詳しいので、ぼくが以前から疑問に思っていたことを率直に聞いてみました。その疑問とは、「明智光秀は、本当に謀反を起こしたのか?説」です。
明智光秀は、ご存知本能寺の変で信長を焼き討ちしたとされています。しかし近年になって、それが「違った」という説が唱えられています。「明智光秀は、私利私欲のために謀反を起こしたと考えれ、「裏切者」のレッテルを貼られていますが、そうではない。じつは秀吉と家康を信長から守るためにやったんだ」という説が、明智光秀のご子息によって唱えられています。
この説について、ぼくの理解で簡単に説明するとこういうことです。
信長は当時、どんどん力をつけてきた秀吉と家康を脅威に感じていた。そして2人に『おぬしらにはもっとデカイ領土を任せたい』という口実をつけて、を中国に追いやろうとした。しかしそれは、大陸に少人数の軍で向かわざるを得ず、紛れもなく死を意味することだった。
その信長の計画を知った光秀は、秀吉と家康を守るために信長を焼き討ちした。
(この説に対する、木暮太一の理解です。)
この説について、出口さんに「どう思われますか?」とぶつけてみました。出口さんから返ってくるのは「実はそうだったんですよね」という賛同か、「いえ、そんなことはないです」という反対か。果たしてどちらか。
出口さんがおっしゃったのは、どちらでもありませんでした。出口さんから一つの捉え方としていただいたのは、「『魔がさしただけ』なのでは?」という見方でした。
歴史上の人物で、偉大な功績を上げている人、歴史を変える出来事をした人(良くも悪くも)がたくさんいます。しかしその人たちは、最初からそれを狙っていたのかといえば、そうではないかもしれない、ということです。思い付きでやってみたらそれがうまくいった、一時の感情で動いてしまったらそれが大事件になった、ということもあり得る、ということです。
なるほど……と思いました。
考えてみたら、ぼくらも将来を計画しきって行動しているわけではありません。自分のキャリアだって、プライベートだって、10年前にたてた「目標」そのままになっている人はほとんどいないのではないでしょうか? 現代で偉業を成し遂げている人も同じです。iPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した山中教授も「手術が下手だったから研究するしかなかった」とおっしゃっています。つまり、子どもの時から「おれはこの分野で人類を変える研究をするんだ」と意気込んでいたわけではないんです。
ぼくの恩師 サイバーエージェントの藤田さんも、今の業態のサイバーエージェントを起業時に思い描いてはいません(設立当初、メイン事業は「インターネット広告代理事業」でしたが、すぐに「ネットメディア事業の会社」に変えています)。
富士フイルムが医療に本格参入したのもここ数年です。以前からレントゲンフイルムなどの医療材料は扱っていましたが、薬・薬品に参入したのは最近の話です。
歴史上の人物も、当初から緻密に計画をしていたのではなく、その時の状況を見て、ふと「今ならいけるんじゃね?」と思い付きで(魔がさして)行動しても何もおかしくはない。ぼくの中では、かなり革命的な考え方でした。いやぁ、おもしろい!
後から振り返れば、いかようにも意味付けはできますし、自分でも「なるべくしてなった」という感じがします。でも、もしかしたら、日々の思い付きなだけかもしれません。自分自身の人生も同じかなと。とても勉強になる対談(の前の控室でのお話し)でした。
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