こんにちは、木暮太一です。今日はコミュニケーション能力を向上させるために不可欠な「KYな人にならない方法」をお伝えします。
よく、「結論から話せ」と言われますね。ですが、これは半分正しく、半分間違いです。というのは、いきなり結論から言われても、それが“何の話の結論”なのかわからないからです。結論から伝えるべきなのは、相手が、“今している話題”を知っている時です。
通常、みなさんが伝えたいことが何なのか、相手は知りません。
プレゼンテーションのようにテーマを知ったうえで集まっている時は、わざわざ「今日はこれから、○○についてプレゼンします」と伝えなくてもわかるでしょう。しかし、普段みなさんが何かを伝えるときは、ほぼ“いきなり”です。いきなり相手のところに行き、いきなり話しかけ、いきなり説明を始めます。そこでいきなり「ポイントは社風だと思うんです」と話しかけても、相手はみなさんが何の話をしているかわからず、まったく理解してもらえないでしょう。
これから何を話そうとしているのか、それを伝えなければ、相手の理解度はかなり下がってしまいます。
●相手はまだ、その話を聞くことに合意していない
もうひとつ、ぜひ知っておいてください。
通常、相手は、みなさんの話を聞く準備ができていないばかりか、みなさんの話を聞くこと自体に、合意していません。相手には相手の都合があります。相手がその時間にやろうと思っていたこともあるはずです。そんな時に、いきなり話し始めるのは、他人の部屋にいきなり上がり込んで、いきなり一方的に演説をするのと同じです。相手はその話を聞きたいと思っていないかもしれませんし、もしくは「大事な話なので、後でじっくり聞きたい」と思っているかもしれません。
ここがプレゼンテーションと大きな違いです。
プレゼンでは、みなさんが話すこと、みなさんが話すテーマについて、相手はすでに合意をしています。みなさんがそのテーマについて話します、と事前に伝えたうえで、それを了解してプレゼンを聞いているわけです。
プレゼンでは、既にプレゼンターに“場”が用意されています。だからその前提で、相手の印象に残す演出や“話し方”、が重要になります。場合によっては、相手に問いかけを投げ、考えさせることもします。
でも、日常で説明する場面、何かを伝える場面では、自分の“場”は用意されていません。そんな時に、プレゼンで「鍛えた」ジェスチャーや、相手に考えさせる問いかけをしたらどうなるでしょうか? 道を歩いていて突然「なぜあなたはいつまでたっても仕事で悩み続けるのでしょうか?」と問われたら、とても困惑しますね。「なぜあんたにそんなことを言われなきゃいけないんだ?」と怒りを覚えるかもしれません。
そうならないために、何かを伝える前には、相手の合意をとることを考えます。どうするか?
「確認」をするんです。「これから○○について話したいのですが、よろしいでしょうか?」「いま、営業戦略について相談させていただけますか?」という感じで。
相手の携帯に電話をかけたときに、「いまよろしいでしょうか?」と尋ねる人は多いですね。それと同じ雰囲気で、テーマを伝えた後に、相手に確認をとる、合意をもらうべきです。会議で発言するときも同じです。ビジネスでは、自分が求められていることを伝えなければいけません。テーマを伝えればそれでいいということではなく、そのテーマが求められているかの確認が必要です。
「これから、今回のトラブルの背景からお伝えしたいのですが、テーマとして合致していますか?」という具合です。この確認をすることで、相手が求めていることと明確にすり合わせをすることができ、「よくわからないことを、長々と話しているKYな人」になる危険性がかなり下がります。
「これから話をするのは、●●についてですが、よろしいでしょうか?」
「○×について、これから解説させていただく予定ですが、お時間よろしいでしょうか?」
このように話し始める前に一言「確認」をし、許可をもらえば、相手は話を聞く準備ができます。もしくは「今時間がないから、その話は明日でお願いします」と言われるかもしれません。だとしたら、翌日、相手が聞く姿勢を整えたところで、話せばいいのです。
確認&許可、ぜひ実践してみてください。
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