結構前ですが、アマゾンが出版社を分類しようとしているというニュースが流れました。簡単に言うと、「アマゾンにお金を落としてくれる出版社の本を目立たせまっせ」ということです。もっと直接的に言うと、「アマゾンに広告費をたくさん払ってくれた目立たせまっせ」「アマゾンのマージンを高くしてくれたらたくさん売りまっせ」ということです。
ちなみにアマゾンは、電子書籍については相当強気に出ていてぼくが経営している出版社にもアマゾンマージンを8%上げるという「予告」が来ました。
いいか悪いかは別にしてこれ自体はリアルの小売店でもよく行われていることで、資本主義の特性上、仕方がないことだと思います。ただ、アマゾンってそれでいいんだっけ? と感じました。アマゾンって、すべての人に最良の買い物をしてもらうというのが企業理念じゃなかった? と。
アマゾンに広告費をたくさん払った出版社の本を目立たせるということは、買い手都合ではなく、売り手都合で
「この本いいです!」ってお勧めするということですよね。こういうときに一番目立ってくる本って、広告をガンガン出さないと売れないタイプの本が多いんです。(もちろん、全部とは言いません)
でも、商品力も販売力もない自費出版の出版社がこのアマゾン枠を狙ってくることは必然(自費出版の会社は、著者が費用負担をするので、アマゾン広告費をたくさん払えるのです。 というか、著者にはらわせるのです)。しかし残念ながら、自費出版の本は99%商品にはなりません。
となれば、アマゾンのトップ画面は、そんな読むに堪えない本で埋め尽くされることになります。自費出版でなくても、てっとりばやく安易に作った本がこの「枠」を埋めることになるでしょう。アマゾンって、それでいいんでしたっけ?
ぼくは、出版戦略上はアマゾンを完全に無視しています。でも、アマゾンが嫌いなわけではりません。むしろ、水や家電やその他ではヘビーユーザーです。それは、アマゾンが便利だからです。アマゾンがこんな方針を出すこと自体がショックでした。
追伸) また現在、キンドル自費出版の印税率はすごく高いですね。この料率は、間違いなく下がっていきます。
やがて、なんだかんだ費用がかかって実質的な印税率は10%を下回ると思います。
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