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数学って、なんで勉強しなきゃいけないの?~「二次方程式なんて、社会に出て使わないじゃん」に答えてみました

なぜ数学が必要なの?

「数学ができないと社会に出てから苦労するぞ」
「数学は論理的思考を養う上で不可欠だ」

こう言われませんでしたか?
もしくは、ご自身の子どもにそう言っていませんか?

では伺いますが、
数学が苦手な方は、社会に出てから苦労しましたか?
数学ができるようになることがすなわち、論理的思考を養うことに直結しますか?

おそらくそんなことはないはずです。
+、-、×、÷の「四則演算」さえできてれば、社会に出てから苦労をすることはほとんどありません。ましてや社会人になってから「この円錐の体積は?」などと聞かれたことはないでしょう。
インドの小学生は、2ケタ×2ケタを暗算でできる!と聞いて、一瞬羨ましく感じますが、よくよく考えてみると計算機やエクセルがあれば「不要」なスキルです。
数学の問題が解けなくても、実際には苦労しないのです。

また、数学が論理的思考を養う上で不可欠だったとしたら、数学が苦手な人は全員「非論理的」なのでしょうか? 逆に、数学が得意な人は必ず「論理的」なのでしょうか? 
これもそうとは言えませんね。「数学」と「論理的思考」も、別物なのです。
「数学を学ぶ=論理的思考を鍛える」というイメージを盲目的に持っている人が多いように感じます。ですが、実際には、数学ができても論理的思考ができるとは限りません。
たしかに、数学は論理的に解かなければいけません。ですが、数学を数学として捉えているうちは、論理的に考えられるのは「数学の問題を解いているときだけ」なのです。

では、数学を学ぶ意味はないのか?

そうではありません。
むしろ、数学は社会に出てから非常に役に立つツールです。
ただそれは、円錐の体積を求められるからではなく、2次関数の問題を解けるようになったからでもありません。
数学の考え方、数学の問題を解くにあたってのアプローチ方法、考え方が社会に出てから役にたつのです。

わたしたちが、かつて学校で数学の問題を解くときに行っていたことをまとめると、以下のように分類できます。

1. 問題文を読む
2. 情報を整理し、何を求めるかを確認する
3. 解き方を組み立てる
4. 式で表す
5. 計算する
6. 答えが出せたら、見直す
7. 答えを示す

そして、これが実社会で直面する課題を解決する流れ、考え方と一緒なのです。
これを現実社会に当てはめると、

1. 課題に直面する
2. 情報を整理し、何を解決しなければいけないかを確認する
3. 課題解決方法を考える
4. 具体的な解決プランをつくる
5. それで課題が解決できそうか、試してみる
6. 本当に課題を解決できるかどうか確認する
7. 解決策を提示する

となります。
つまり、数学の問題を解く行動を通じて、社会で直面する課題解決の練習・シミュレーションを行っていたわけです。
当然ながら、練習を積んできた人の方が優れた結果を出せるでしょう。また、多くのシミュレーションをこなしてきた人の方が、より多くの課題を解決できるでしょう。
数学で鍛えられていたのは、この「問題を解く力」でした。
これこそが、数学が役立つポイント、数学を学ぶ意味なのです。

●課題を解決するカード

さきほど示したように、数学の問題を解く流れは、

1. 問題文を読む
2. 情報を整理し、何を求めるかを確認する
3. 解き方を組み立てる
4. 式で表す
5. 計算する
6. 答えが出せたら、見直す
7. 答えを示す

です。

数学の問題は多種多様です。問題ごとに解き方も計算方法も違います。ですが、「あらかじめ持っているカードを使って解く」という考え方は共通しています。
異なる問題が出されたら、それに合わせて異なるカードを使って解きます。それが数学なのです。

将来数学者になる人を除けば、たとえば「n次の方程式を解くこと」自体には、何の意味もないでしょう。
しかし、
「答えを出すためのルールを理解する」
「あらかじめ問題解決の手段としてカードを持っておく」
「そのカードを使って解く」
という考え方が役に立ちます。

円錐の体積を求めるには、
・円錐の高さを求めるルール(方程式):底面×高さ×1/3
・底面の面積
・円錐の高さ
を知らなければいけません。
つまり、これらの知識や計算方法・考え方を「手持ちカード」として持っていなければ、問題を解くことができないのです。

逆にいえば、円錐の体積を求めるに必要な情報(底面の面積、高さ)と、解決方法(計算方法)を知っているので、その問題が解けるわけです。

この問題・課題に取り組む姿勢こそが、数学を学ぶ意味だと思うわけですが、ほとんどの場合、勉強としての数学と、実社会での使い方はつながっていませんし、つなげて教えられることも、ほぼありません。

じつにもったいないとおもうんですよね。

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