自分の言葉が、結局一番おもしろい

「自費出版って、じつはこういうカラクリなんです。」という話~その1~

出版物には2種類あります。ひとつが商業出版、もうひとつが自費出版です。一見、同じように見える商業出版と自費出版ですが、内容は全然違います。「書籍」という体裁は同じですが、つくり方も、ビジネスモデルも全然違います。そのため、本を出したと言ってもそれが商業出版なのか、自費出版なのかで、結果が大きく変わります。
では詳しく説明していきましょう。

商業出版

ぼくは著者として20年活動しています。そして同時に出版社の経営者としても13年目を迎えています。なので、ここでは出版社社長の立場から解説しますね。

まず、商業出版のビジネスモデルから説明します。
商業出版とは、出版社が著者に依頼して本を書いてもらい、制作費用をすべて出版社が負担します。出版社は、その本を読者に売って利益を出します。だから、商業出版の場合は、本が売れなければ利益が出ない。だから、出版社も(少なくとも気持ちの上では)がんばって売ろうとする。

出版社にとってのお客さんは読者で、読者に買ってもらえないと出版社が赤字になってしまうというのがポイントですね。

自費出版

一方、自費出版は、まったくビジネスモデルが違います。つまり、「出版社のお客さん」が違うのです。結論から言うと、自費出版の場合、出版社のお客さんは「著者」です。出版社にとって、一番のお客は「本を出したい!」と言っている著者なんです。

著者からお金をもらって本をつくり、本を作った時点で出版社は利益を出せています。
その後、完成した本を(形式的に)市場に流通させて読者に販売します。でも、出版社は読者に本気で本を売ることはしません。なぜなら、すでに著者からもらったお金で利益が出ているからです。利益を増やしたい場合は本を売るのではなく、新しく自費出版で本を出したい人を見つけてくる方が早いんです。

だから、自費出版の本は売れません。
内容が良ければ……
なかには例外的に売れる本もあるはず……

そう思いたい気持ちはわかります。でも、そもそも構造が違うんです。自費出版は売れる構造になっていないんです。だから、本当にどう頑張っても売れない、というかがんばりようがありません。

それを説明するために、流通ルートについて補足しておきますね。

本は、どのように流通し、どのように読者の目に触れ、買ってもらえるか?

 

まず、読者が本を買うのは「書店」です。リアルの店舗で本を買います。最近、アマゾンなどのネット書店が増えてきましたが、全体から見たらまだまだシェアは小さい。出版業界でのネット書店シェアは10%程度しかありません。だから、「本は書店で買われる」ということを前提に考えてください。

そして、その書店ですが、全国に10,000店舗以上あります。ただし、毎日たくさんのお客さんが来る書店で考えると全国に2000~3000店舗です。ぼくらが書いた本は、この2000~3000店舗を中心に置かれ、そこで読者に見つけてもらい、売れていきます。

本が売れるかどうかは、どれだけ多くの書店で、どれだけいい場所に置かれるかにかかってきます。だから出版社は必死に書店営業をするのです。
商業出版の場合、ほとんどが取次という出版業界の問屋さんを通じて、多くの書店に流通されます。理論上は、日本にあるすべての書店に流通させることもできます。だから、いい本を書けば売れていくし、そもそも「売れる環境」が整っています。
でも自費出版はそうではありません。
自費出版の会社の中でもいくつかパターンがありますが、多くの場合は、全国の書店に流通させる力を持っていない出版社です。20店舗くらいにしか本を並べる力がない慈悲出版社もたくさんいます。

ぼくが出す本は、全国で数千店舗に並びます。でも、自費出版で出された本は、数十店舗にしか並ばない。これでは自費出版の本が売れなくても全く不思議ではありません。自費出版を選んだ段階で、いくら中身が良くても売れない構造になっているわけです。
※自費出版の会社でも、なかには取次(問屋さん)と契約して全国の書店に流通させられるところもあります。でも、そういう出版社は少ないです。

 

今回はここまで。次回は、本をつくる原価についてお伝えしますね。自費出版で払うお金が、いかに高いかを分かってもらえると思います。

※自費出版をしようかと悩んでいる方は、一度、ぼくのセミナーにいらしてください。自費出版がどんなものなのか、よくご理解いただけると思います。

 

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