自分の言葉が、結局一番おもしろい

添削! これで文章がわかりやすくなる!

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こんにちは、木暮太一です。今日は、社会人のコミュニケーション能力に必須な「書き方」について説明します。

わかりやすい文章を書くためには、どういうポイントに気をつければいいのか、それをお伝えします。これらのポイントを押さえるだけで、文章が小難しくなってしまう人が、よく陥ってしまうポイントを避けることができます。知っていればすぐに活用できる「手軽なテクニック」ですので、是非意識して使ってみてください。

 

【ポイント1】言いたいことをストレートに書く

文章をわかりやすくしたければ、「言いたいことをストレートに書くこと」が重要です。日本語では、少し回り道をして柔らかく表現することが「よし」とされていることもあります。ですが、文章ではそれが「わかりづらさ」の原因になります。

たとえば、こういうことです。「結論はAになった」という説明をする時に、「Bの可能性もあったが、結局Cになりそうな雰囲気でも進んでおり、最後はAになった」と表現すると、聞き手はどう感じるでしょうか? スムーズには理解できないでしょう。

また、「私はXだと思う」と主張すべきところを、「私は、もちろんYの可能性も否定できないと考えてはいるが、いろいろと調査をした結果で、やはりZかな、とも感じるようになってきたが、Xだと思う」と表現すると、聞き手は混乱します。「結局、YとZは違うの? Xが結論でいいの?」と感じてしまいます。

なぜこのような間際らしい文章になってしまうのか? それは、説明の中に「私情」や「注釈」を入れすぎているからです。次の文章を見てください。

「私が立ち上げているビジネスは、インターネットを使った全く新しいサービスです。新しいと言っても、100%オリジナルではなく、既存のサービスからヒントを得て、改良を加えたものです。もちろん誰もが思いつかない発明のようなものができればいいですが、そんなものは100年に数回起こるかどうかの非常に難しいものですからね。このサービスは数年間で年商100億円の売上に成長する可能性があります。もちろん、今は立ち上げ期ですから、まだ売上はほとんど立っていません。でも最初はどんなビジネスでもそうだと思います」

この中で、「既存のサービスからヒントを得て……」という箇所は必要がありませんし、「立ち上げ期だから今は売上が立っていない」というのは、誰もが分かることです。

「新しいサービスで大きなビジネスになる可能性がある」ということを強調したいのなら、はっきり「新しいサービスで、年商100億円も目指せます」と言い切るべきです。

 

物事を説明していると、反論を恐れたり、詳細の説明がしたくなることがあります。しかしその結果、どうしても「入り組んだ表現」になり、説明の質を低下させてしまいます。

「入り組んだ表現」ではなく、「ストレートな表現」ができるようになる方法を、いくつか紹介します。これらのテクニックを意識すると、嫌でも表現が「ストレート」になります。

 

【注意点】文章に私情や注釈をやたらとはさむと、文章がわかりづらくなる!

 

 【ポイント2】文章を短くする

ひとつの文章は短くすべきです。一長いと、そこにいろいろな要素が含まれるので、話が分かりづらくもなります。そのことを実感していただきましょう。次の文章をお読みください。

「先週、大学時代には理系科目を選択していたのに、社会に出た後は、その技術や知識を一切使わずに仕事をしている友人となかなか予約が取れない有名店に会社を早くあがって早めの時間帯で食事をしに行った。」

一読して分かりづらいことは納得できますね。この文章は、もっと短くできます。短くするとこうなります。

「先週、大学時代の友人と食事をしに行った。行ったのは、予約がなかなか取れない有名店だった。会社を早く上がって、早めの時間帯に行った。この友人は、学生時代は理系科目を専攻していた。でも、今はその知識や技術を一切使わない仕事をしている。」

こちらの文章の方が圧倒的に分かりやすいです。

文章を短くすると、多少稚拙に見えることがあります。でも、説明の文章の場合、目的は、格調高い文章にすることではなく、「分かりやすく情報を伝えること」です。だから、それでいいのです。慣れてくれば、長めの文章でもすっきり見せることができるようになります。それまでは、短い文章で、伝えたいことを確実に伝えることを心がけましょう。

 

【注意点】“見栄え”を気にすると、文章が長くなり、わかりづらくなる!

 

 【ポイント3】ひとつの文章に、言いたいことはひとつ

「一文を短くする」ということと合わせて、注意しなければいけないことがあります。それは「ひとつの文章には、言いたいことをひとつしか入れない」ということです。一文の中に、「言いたいこと」を詰め込むと、結局何が言いたいのか分からなくなります。その例として、こういう文章があります。

 

文章A
「今月のプロジェクトの成果を振り返って感じることは、市場環境が悪化したとはいえ、競合他社が新製品を発表してどんどん勢力を拡大しつつあり、一方でなんといっても業界大手だったX社が廃業に追い込まれるという事態を見て、世の中のスピードがますます速くなっていっているという実感は持たずにはいられませんが、売上が目標まで届かなかったことは悔しくて、自分たちの反省としなければいけないということです。」

うーん、分かりにくいですね。この一文の中で説明者が言いたいことをまとめると、次の3つに箇条書きできます。

文章B
・ 市場環境が悪化したとはいえ、競合他社が勢力を拡大している
・ 今まで業界最大手だったX社が倒産して、業界再編が加速していることを実感している
・ 今月の業績を振り返ると、売上が目標まで届かなかったことを反省しなければいけない

いかがでしょうか? 文章Aより、文章Bの方が言いたいことが伝わると思います。文章Aでは、説明者本人が、頭に思いついたことを、そのまま並べているだけです。これでは、何が言いたいのか分かりませんね。

 

【注意点】いいたことがたくさんある場合は、「。」で区切る!

 

【ポイント4】主語と述語がすぐにわかるように

日本語では、主語と述語が遠く離れがちです。次の文章がその典型です。

「私は、小さい頃からかわいがってくれていた近所のおばさんが引っ越した先でやっている山奥の小さな駄菓子屋さんでずっと楽しみにしていた来週の学校遠足のお菓子を買いました。」

主語は「私」、述語は「買いました」です。この文章には、何一つ難しいことは書かれていません。言葉にしてみても、整理して、ゆっくり話せば、誰でも理解できる内容です。でも、主語と述語が離れているため、かなり複雑に見えています。この文章の場合、主語と述語を近くに置けば、もっとすっきりと見せることができます。

「私は、山奥の小さな駄菓子屋さんで、お菓子を買いました。ずっと楽しみにしていた来週の学校遠足用のお菓子です。小さい頃から私をかわいがってくれていた近所のおばさんがいました。そのおばさんが、引っ越した先でこの駄菓子屋さんをやっているのです。」

 

【注意点】日本語では、主語と述語が遠くに離れてしまいがち。意識して近づけなければいけない。

 

 【ポイント5】修飾語はできるだけ少なくする

次の二つの文章をお読みください。

A.「幼少期から引っ込み思案で、人前に出ることができず、いつも仲間の輪に加わることができなかった私が、次回の選挙に出馬します」

B.「当社では、世界初、前人未到の領域に挑戦し続けた職人集団が、5年間もの歳月をかけて血がにじむような努力と自らの生活を犠牲にし続けて開発に取り組んだ電気自動車を発売します」

いかがでしょうか。どちらも非常に不自然な文章だと感じる方が多いと思います。その理由は「修飾語が多い」からです。これには、書き言葉、話し言葉に限らず、意外に多くの方が陥っています。

どうしても「修飾語を使わないと説明できない」というのであれば、「修飾語」ではなく、別の文章で説明を加えた方が、圧倒的すっきりと分かりやすく表現できます。

修飾語句が長くなると、文章の意味が分かりづらくなります。これは、前に説明した「主語と述語が離れてしまうから」という理由もあります。そして、その修飾語が何を指すのか曖昧になってしまう、ということも挙げられます。

 

【改善案】
A.「私は、幼少期から引っ込み思案で、人前に出ることができませんでした。今まで、いつも仲間に加わることはできませんでした。ですが、私は次回の選挙に出馬します。」
B.「当社では、電気自動車を発売します。この自動車の開発には5年をかけました。世界初の領域に挑戦し続け、社員もとても頑張ってくれました。」

 

【注意点】気をつけずに書くと、文章が修飾語であふれてしまう。修飾語は意識的に削る!

 

 【ポイント6】「知的な」文章を書こうとしてはいけない

説明の文章は、「知的な文章」にする必要はありません。意外に多くの方が、比喩や長い修飾語をつけて、知的に見える文章にしようとします。口頭での説明でも同じことが言えます。短い文章だと「幼稚に見えてしまう」と思うのでしょうか。ふだん使わないような小難しい言い回しをたくさん使って、次のような文章を書こうとする方がいます。

 

【文章A】
日本社会は、利益至上主義という、とてつもなくもろい経済基盤の上で、その性格がまさに元凶となった世界不況の影響をまともにくらい、未曾有の不況に苦しんでいる。

【文章B】
当時、どうすることもできずに、ただただ何日も眠れず悩み続けていた私は、なすすべなく私の目の前を通り過ぎようとしている現実に、何も救いの手を差し伸べることができなかった。

 

AもBも難しい文章ではありませんが、もっと易しく、かつ短くして分かりやすくすることができます。

【文章Aの改善案】 日本社会は、未曾有の不況に苦しんでいる。

【文章Bの改善案】  私は、目の前で起こっていることに、何も対処できなかった

いかがでしょうか? 短すぎて拍子抜けする人がいるかもしれません。また、改善前のものより知的に見えないかもしれませんが、少なくとも言いたいことはすっきり伝わります。

そもそも、知的に見える文章は、学術論文には必要かもしれませんが、説明の文章には必要ありません。美しい文章も同じです。小説や随筆などの文学作品に限られます。研究者でも作家でもなければ、「知的に見える文章」や「美しい文章」にごだわることはないのです。

 

【注意点】知的な文章を書くのは、プロの為せる業。「オレも/ワタシも」と考えてはいけない。

 

 【ポイント7】やっぱり、一文を短く、言いたいことはひとつに。

次の文章をご覧ください。

「この商品は、通常の食器用洗剤と違い、皮膚の水分を奪い、手肌を傷つける成分が入っていません」

「『この商品』にはどんな特徴があるでしょう?」と質問されても、ちょっと分かりづらいですね。この文章で言いたいことは、

この商品は→通常の食用洗剤と違い→皮膚の水分を奪い→手肌を傷つける成分が入っていません。

ということです。でも、このようにも読めてしまいます。

この商品は→通常の食用洗剤と違い→皮膚の水分を奪い→(そして)手肌を傷つける成分が入っていません。

つまり、「この商品は、皮膚の水分を奪います」ということです。これは、「通常の食用洗剤と違い」の部分が、「皮膚の水分を奪い」と「手肌を傷める」の両方にかかっているのか、それとも「皮膚の水分を奪い」だけにかかっているのかが分からないことからくる誤解です。

では、どうすれば、誤解を与えない文章になるでしょうか? これも、前項でお話ししたように、「文章を短くして、いいたいことは別の文で補足する」という方法をとります。

【改善例】
「この商品は、通常の食器用洗剤と違って、手肌を傷める成分が入っていません。皮膚の水分は奪われず、皮膚にやさしいのです」

同じような例をもうひとつ見てみましょう。

「この薬には、内臓機能を強くし肌荒れの原因となる毒素を除く○○が含まれています」

果たして、この薬にはどんな効能があるでしょうか? この文章も二通りの読み方ができます。

A)この薬には、内臓機能を強くして、「肌荒れの原因となる毒素」を除く○○が含まれています
B)この薬には、「内臓機能を強くするが、肌荒れの原因ともなる毒素」を除く○○が含まれています

正しい効能が①であるなら、混乱が起きないために、次のように言い換えます。

「この薬には、内臓機能を強くする○○という成分が含まれています。この成分はさらに肌荒れの原因となる毒素を除く効果もあります。」

元の文章も、冷静になってじっくり読めば、伝え手の意図を正しくを読み取ることができます。しかし、相手がいつも「冷静にじっくり」読んだり聞いたりしてくれるわけではありません。特に広告のコピーの場合、その誤解が致命傷になることもあるのです。

「そのくらいは、分かってよ」というのは、伝え手のエゴです。さきほどもお話ししたように、「説明」は、100%説明者の責任として考えなければいけません。伝えたいことが相手に伝わらなければ、それはすべて説明に問題があるのです。そのために、できる限り誤解を与えない表現を選ばなければいけません。

 

【注意点】自分が書いた文章も、もしかしたら複数の意味にとれる可能性がある。常に「文章は短く、一文にいいたことはひとつ」を心がけなければいけない。

 

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