自分の言葉が、結局一番おもしろい

社会人に必須の「コミュニケーション能力」とは?

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こんにちは、木暮太一です。今回は、「社会人に必須のコミュニケーション能力」というテーマで書きます。

「社会人には、コミュニケーション力が必須」と言われます。また、今や非常に多くの企業が、人材に求める要素として、「コミュニケーション能力」を挙げていますし、それを身につけるための研修や、講演も大人気です。みんな、この「コミュニケーション能力」を身につけたいと考えているわけです。

ただ、ここで考えなければいけないのは、この「コミュニケーション能力」とは一体何か? ということです。改めて問われると、「コミュニケーション」が指すものを明確に捉えている人は少ないです。なんとなく、人とうまく付き合うことを、コミュニケーションと呼んでいませんか?

「コミュニケーション力」とは

それは、雑談するネタを持っていることではありません。みんなと仲良くする力ではありません。上司に誘われた飲み会に積極的に行く人が「コミュニケーション能力が高い人」なわけでもありません。もちろん、これらが求められることはあるでしょう。しかし、ビジネスで考えれば、こんなことよりももっと大事なことがあります。

ビジネスにおけるコミュニケーション能力とは、

  • 自分が伝えたい内容を、しっかり相手に説明できる力
  • 求められていることを、求められている場面で伝える力

です。

これができていれば、口下手でも、雑談するネタがなくても、飲み会の付き合いが悪くても、ビジネスのコミュニケーションはOKと考えられるでしょう。逆に、これができなければビジネスパーソンとしては、評価はされません。長々としゃべるのに、結局何を言いたいのかよくわからない、また求められていないことをKYにベラベラしゃべる、こんな人が高い評価を得られるはずはありません。

 

●「2つの目的」を明確にする

ビジネスで求められる“コミュニケーション能力”は、結局のところ「2つの目的」を明確にするところから始まります。その「2つの目的」とは、「自分の目的(自分は誰に、何を、何のために伝えようと思っているか)」と、「相手の目的(相手は、自分に何を期待しているか)」です。

コミュニケーション能力というと、話し方や笑顔、人への接し方など、具体的な方法論に目が行きがちです。しかし、その前に、これら「2つの目的」を自分の中で確認し、明確にしておかなければいけないんですね。

 

●あなたの目的は?

まず、「自分の目的」を明確に捉えます。「相手に、それを伝える目的」、つまり「自分は今、何のために伝えようとしているのか?」です。「伝える内容(何を伝えるか)」よりも前に、「伝える目的」があるはずです。「何のために伝えるか」「何をしたくて伝えているのか」、これを理解していなければいけません。あなたがこれからしようとしているのは、状況を説明することが目的かもしれません。もしくは、誰かに自分の提案を受け入れてもらうことかもしれません。相手を説得して、何かの行動をとってもらうことかもしれません。

説明が目的だったら、状況を伝えて、「以上です」で終わってもいいでしょう。しかし、提案することが目的だった場合は状況を伝えるだけでは不十分です。いろいろ情報を伝えたうえで、「これをしていただけませんか?」と、してもらいたい行動を提示する必要がありますね。提案を求められているのに、現状の分析や情報整理だけして「以上です」と話を終えたら、「それで? 何が言いたいんだよ」と言われてしまいます。

コミュニケーションには、必ず目的があります。そして、その目的に沿った言葉・文章で投げかけないと、相手に適切に伝わりません。単に言葉を発しても、その目的を明確に捉えていなければ、目的が達成できず、結果として意味がないコミュニケーションになってしまうのです。

 

たとえば会議で発言する時です。自分が発言する目的を捉えていないと、ただダラダラとした感想を思い付きで発してしまうかもしれません。こんな時、「あの人、結局何が言いたいのかわからないよね」と思われてしまいますね。ただそれは、「あの人が話している日本語の意味がわからない」ということではありません。日本語としては理解できます。でも「で? だから何?」がわからないのです。その人自身が何を言いたいのか、何のために口を開いているのかわかっていない、ということですね。

 

●相手の目的は?~あなたが求められていることは何?

そして次。「相手の目的」を考えます。自分が誰に、何を、何の目的で伝えるかを明確にしていれば、言いたいことは言えるようになります。しかし、コミュニケーションは、“双方向”です。自分が言いたいことをどんどん言えばいいわけではありません。つまり、ここで同時に「求められていること」に注意を払わなければいけないんです。 “自分が求められていること”を知り、その上で発言することがビジネスパーソンに求められます。

ビジネス現場で発言を求められることがあります。ただ、どんな発言を求められているかは毎回違います。会議の議事録のように事実をまとめて伝えることを求められているのか、意見を伝えなければいけない場なのか、それとも誰かを説得したり、提案したりすることを要求されているのか。

非常に厳しいことを言うと、ビジネスの場で目的から外れたことを言ってはいけません(もちろん、ビジネスシーンでの雑談は別です)。意見を求められているのに、事実を伝えても意味がありませんし、逆に「昨日の打ち合わせの報告」をするように言われているのに、自分の意見や感想ばかり話すのは正しくありません。

かつて、企業勤めをしていた時、社内でビジネスアイディアを出すための打ち合わせを実施しました。みんながブレスト風に新しいアイディアを出している時、参加者の一人が突然、ホワイトボードに表を書き始めました。ほかの参加者は、この人が何を言いたいのかよくわからず、表を書き終わるのを待っていました。

数分後、彼が書いた表には、これまでのビジネスの業績が年表風にまとめられていて、彼は一言「これまではこういう推移でしたね」とだけ言って席に戻りました。

その場は、アイディアを出す会議でしたので、過去の業績の推移はあまり関係がありません。さらに言うと、そこにいたメンバーは全員業績の推移は知っており、何ら新しい情報ではありませんでした。その打ち合わせを取りまとめていた事業部長も困惑し、「なんで今これを書いたの?」と聞いていました。口調は柔らかかったですが、あきらかにイラついていました。その場で自分に求められているものを理解せず、ただ単に言いたいだけの発言は無益なだけでなく、有害です。

自分はこの場で何が求められているのか?

まず、それを理解していなければ、適切な発言はできません。仮に内容が秀逸だったとしても、求められていなければ意味がないのです。

 

コミュニケーションはあくまでも“双方向”です。自分が言いたいこと、相手が知りたいこと、片方だけではいけません。両方を擦り合わせながら話を進めることが大切です。自分が言いたいことを、言いたいだけ言ってスッキリしている人をたまに見かけます。でも、それでは「伝えた」ことになりません。

「ここで自分の意見を発表したい!」と思っていても、その場で求められているのが「あなたの意見」ではなく、「状況整理(事実を整理して伝えること)」だったらどうでしょうか? あなたは、熱心に意見を伝えますが、まわりからは冷ややかな目で見られるでしょう。「KYなことを言っている」と思われてしまいます。「今はあなたの意見を聞いていません」とバッサリ切られてしまうかもしれません。

仮に秀逸なことを発言していたとしても、それが求められている場でなければ意味がありません。自分が伝えたいと思っていること、そして相手が伝えてほしいと思っていること、この2つを考えた上で何を言うかを決めていきます。

 

これこそが「社会人が求められているコミュニケーション能力」なんです。

 

●「それで、何が言いたいの?」と言われてしまう理由

上司が部下に対して突き放すように言う「それで?」というセリフ。部下の話がわかりづらく、上司がそれに対してイライラしているときに、よく聞かれます。「その先を早く言え」「結論を言え」という意味で口にされていますが、“結論”を伝えてもなお「で?」と言われてしまう人がいます。

そんな冷たい言い方をしなくても……、と同情する反面、伝え手側の落ち度も認識しなければいけません。部下が上司からそう言われてしまうのは、その場の目的を達成していないからです。

たとえば、取引先でトラブルが起き、上司に状況の説明をするとします。この場で求められているのは、表面的には“状況を説明すること”です。しかし、状況を共有して終わりではありません。「こういうトラブルが起きています。以上です。では、さようなら」ではビジネスパーソンとして失格ですね。自分の担当先でトラブルが起きているのであれば、当然それを収束・解決させるように動かなければいけません。

まずは状況を把握し、上司に共有することが大事ですが、それだけではなく、これからどうやって解決していくかを上司は聞きたいわけです。解決案をズバリ提示させられなくても、解決に向けた途中経過を聞きたいと思っています。それがなく「こういう状況です」しか聞けないため、「それで?(君はこれからどうしようと思っているの?)」というコメントが出てきてしまうんですね。

つまり、相手が求めている内容と自分が発信している内容が違う。相手からしたら、聞きたい内容がまだ出てこない。イライラも募る。その結果としての「それで?」なんです。

話し方やプレゼンテクニックを学ぶ前に、「2つの目的」を自分の中で明確にしなければいけません。目的を明確にすることは、ロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングを知らなくても、今すぐできることです。

「コミュニケーション能力がない」と課題に感じていらっしゃったら、まずは「2つの目的」を整理してから、話すように心がけてみましょう。

 

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